暮らしのメディア

生活保護は最後の砦?ニートでも生活保護を受けることができるか解説

ニートの人でまだ親の支援などを受けることができている人はいいですが、そうもいかなくなってきているという人にとっては、生活保護をニートがもらうことができるのか気になるところだと思います。

そこで本記事では、生活保護をニートが受給することができるのかなど、生活保護とはどういうものなのかについて解説します。

生活保護の受給条件は?生活保護をニートはもらえる?

生活保護をニートが受給することができるかどうか、その答えは、絶対に受給されないということはありません。

生活保護をもらうためには、ニートかニートではないかではなく誰でも、3つの条件をまずはクリアする必要があり、その条件をクリアすることで生活保護をニートでももらうことは可能です。

その条件とは、

条件①身体的な問題を抱えていて働くことが困難な場合 

病院の診断書などを提出し、働くことが困難な状況にあるということの証明が必要

条件②ひとり暮らしでニートを脱出するための転職活動中で生活費がない場合 

あくまでも就職するまでの一時的な措置として生活保護をもらうことができる場合もあるが、自治体によっては社会福祉協議会で行われている生活福祉資金制度の利用をすすめられる場合もある 

条件③親類などからの経済的支援を受けられず、生活費の支払いが困難な場合

ニートとなっている本人が高齢で働くことができず、生活していくだけの資金がない状態で、親や兄弟など経済的支援をしてくれていた人が死亡するなど身寄りがいなくなってしまった場合、生活保護をもらうことができるケースがある。

自動車などを所有している場合は、まずはそれを売却して、必要な支払いを行いそれでも生活が立ち行かない場合に利用することが可能となる。

という風に、生活保護をニートが受給される条件は、そう簡単なものではありません。
生活費がないからという理由だけで、いつでも簡単に生活保護をニートが受給できると思っていては、利用できなくて大変なことになるので要注意です。

生活保護をニートが不正受給。バレる?バレない?

ニートに限らず、ちょっとのつもりでついた嘘から生活保護の受給を受けることができるようになったという人もいるかもしれません。

でもそれは、本当はもらうことのできないものだったり、不正受給となってしまう状態になってしまった場合、その不正受給はバレてしまうのか気になりますよね。

生活保護の不正受給の対象となるケースは、

・収入があるにも関わらず無収入と申告してしまう
・病気が完治し働くことができるようになっているにも関わらず嘘の申告をしてしまう
・親族が経済的支援を行うだけの経済力があるにも関わらず、ないと虚偽申告をする

などがあります。

生活保護の不正受給は、必ずバレるものと思っておいた方が間違いありません。

もちろん、生活保護の不正受給となっている人もいるのは確かですし、すべての人がバレてしまうとは言い切れません。しかし、もしも不正受給が発覚してしまった場合のペナルティは過酷です。

これまで生活保護で受給された金額の全部または一部を返還しなくてはならなくなりますし、最悪の場合「詐欺罪」で逮捕されることもあります。

生活保護をニートがもらいたい場合の申請方法は?

生活保護をニートがもらうための申請方法は、ニートだから特別な申請方法がある訳ではなく、どの人も同じ手順で生活保護の申請を行うこととなります。

まず自分が住んでいる地域にある

・市役所や区役所の生活保護担当窓口
・市区町村にある福祉事務所

のどちらかに行きます。窓口で申請書をもらい、そこに必要事項を記入し、申請内容を証明できる書類(診断書など)を提出することで、審査が開始されます。

生活保護をニートが申請したあとの審査は?

生活保護の受給を受けるために必要書類を提出すると、申請者にとって生活保護が本当に必要かどうかの審査が行われます。

この審査は、ニートに限らず生活保護が必要だと申請したすべての人が受けることとなり、その審査は厳しいものだと言われています。

どのような審査が行われるのかというと、

・生活保護を受給したいという人の銀行口座の残高やローンなどの確認
・親族(親や兄弟など)に経済的な支援ができないかの確認 

などが行われます。

資産状況は、銀行口座の残高だけではなく、住宅や自動車などを所有しているのか、ローンなどを抱えていないかなど細かい部分まで確認されます。

また、親族への経済的な支援に関する確認は、もう何年も連絡をとっていないような親族にも関係なく連絡されることとなります。

生活保護の受給は、自分だけで完結できるものではないという覚悟が必要です。

生活保護をニートがもらうのは無理だと思うことが重要!

ある程度の年齢になったニートの人に中には、

「いざとなったら生活保護をもらうから大丈夫。」

「きっと生活保護をもらうことができるだろう。」

と思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際に生活保護をニートがもらおうと思ったら、かなりハードルが高いということを認識しておくことが大切です。

生活保護をもらうためには、申請を出し、審査に通過しなければもらうことはできません。

そして、生活保護の申請には、「生活保護申請要件」というものがあり、生活保護の申請ができるかどうかの条件が提示されています。

その要件とは、

・車、家、土地などの資産がないこと
・援助してくれる身内(親や兄弟など)がいないこと
・働くことが不可能な状態であること
・世帯収入が最低生活費 

などほんの一例だけを紹介しましたが、これでも該当しないというニートは多いのではないでしょうか。

「生活保護申請要件」は、生活保護をもらいたいという人が申請書を出すことができるかどうかの基準であって、生活保護の受給の有無の基準ではないのです。

「生活保護申請要件」を満たして、生活保護の申請ができた場合は、「困窮の証明」が必要となるので、さらに生活保護を受けるためのハードルは高くなります。

現在ニートとしての状態が、どのような状態なのかによっても違いはあるものの、「ニートで収入がなく生活に困窮しているから生活保護をもらうことができるだろう。」という考えは簡単には通用しないのです。

生活保護をニートがもらえた場合でも甘くはない

生活保護をニートがもらうことができた!というケースは、状況によってもちろんゼロではありません。

しかし、「生活保護をニートでももらうことができた!」と喜び、これで生活していけると決して安堵できるものではありません。

生活保護をニートが認められたとしても、生活保護を受給されている生活は満足できるものではく必要最低限のもので、さらに生活保護を受給されることで数多くの制約を受けることとなってしまいます。

まず、生活保護として受給されるものには、

・第1類費 食費や衣類などの費用
・第2類費 電気代やガス代などの光熱費

この2種類の費用の合計となります。

例えば、

・東京23区に在住の30代独身のニートが生活保護を受給した場合の金額は、77,940円(+住宅費の上限が53,700円)
・神奈川県に在住の40代独身のニートが生活保護を受給した場合の金額は、78,830円(+住宅費の上限が52,000円)

住む地域や年齢によって微妙に受給金額に違いはあるものの、それほど大差はありません。

住宅費を少しでも安くおさめたとしても、それを生活費に回すことはできないので、生活保護費とした受給した80,000円弱の金額で生活のすべてを行わなければならなくなります。

この金額なら十分という人も中にはいるかもしれませんが、生活保護は審査が通れば終わるというのではありません。

定期的に担当者が訪問して収入状況などのチェックを行うなど監視されていると感じることも多いです。

自動車やバイク、宝石などの購入はできないですし、生命保険にも加入することができないなど、ぜいたく品と言われるものを一切手にすることはできませんし、もちろんクレジットカードも作ることはできません。

たった8万円弱の生活費の受給を受けることで、様々な制約を受けなおかつ、担当者と言われる人に監視される生活が生活保護という生活なのです。

生活保護をニートがもらうのを期待せずに働こう!

生活保護をニートがもらう場合に限らず、生活保護をもらうことは、

「本当に働くことができない。」
「生活することができない。」

など究極的に自分の力ではどうにもならない状態に利用するものであり、決して働かなくても楽に暮らすことのできる制度ではありません。

わずかな貯金も贅沢も認められない、ただギリギリ生活できるかどうかを、監視されながら生活していくのが生活保護なんです。

ニートとなってしまう理由は、人それぞれで今は精神的にも肉体的にも働くことができないという状況の人もいると思います。

そのような状況を除いては、生活保護と例え同じ金額くらいしか稼ぐことができなかったとしても、自由度が違います。

誰にも制限や監視をされることなく生活することを目指して、自分のできることから少しずつ始めてみることをおすすめします。

まとめ

生活保護をニートがもらう方法や、生活保護の申請や受給条件、審査など普段あまり知ることのできない部分について紹介してきました。

親や兄弟などの援助を受けながらニートを続けている人、これまでの貯金を切り崩しながらニート状態となっている人など、同じニートでも置かれている環境は様々だと思います。

しかし、どんな状況に置かれていたとしても生活保護を受給するということは、ニートでもニートではなくても簡単なものではないこと、「生活保護をニートでもらえてラッキー!」とは決していえないことがわかりました。

今は働けない状況でどうしても生活保護が必要という場合以外は、自分の将来的なことを考えても何とか生活保護をニートの状態で受給しないようにしましょう。