うつで仕事を続けていくことが困難になり、いったんは休職といったかたちを取る人は現代において非常にたくさんいるものです。うつ病になる人は現代において少なくありません。ですが実際にうつ病になってしまったとしたら、本当に休んでも良いのか、決断にも迷うものです。また、休むべきタイミングも自分では見いだしづらく、周りには相談しにくいのも事実でしょう。
そこで今回は、うつで休職するメリットとデメリットについて解説しながら、実際に休むべきタイミングをご紹介していきたいと思います。
うつで休職する人は現代社会においてたくさんいる
ストレス社会と言われる現代において、うつの症状に悩み、仕事を休職もしくは退職する人はたくさんいます。人間関係のストレスや仕事の適性、長時間労働などはうつの原因になりえるもので、そしてうつは誰でもなりえる病気の一つです。
実際、うつになったことで、「なんで私が…」とびっくりしている人も多いでしょう。少し前までうつの症状とは無縁だった人が、周りの環境の変化などによって心身のバランスを崩してしまうことは意外と多々あることの一つです。それだけ現代社会は、さまざまなことが目まぐるしく変化し、それが多くの人にとってストレスになっているということでしょう。
うつになれば、そんなストレスの多い仕事からは誰でも距離を取りたくなるものです。うつになったときの対処の選択肢としては、仕事を休職するということがあげられます。
ただ、「よし、すぐにでも仕事を休職しよう」とは正直なかなか決断できないものです。そもそも仕事を休職すれば収入面など不安なことはたくさん出てきます。重い病気にかかったわけではないのだから…と無理をしてしまう人も多いです。うつで休職するときは、そのメリットとデメリットとよく向き合うことが大事になってきます。
うつで休職すべきタイミングとは?
ではまず、うつで休職を考えるべきタイミングについて詳しく考えてみましょう。休職したいという気持ちは少し出てきたとはいえ、いつ休職を決めるべきかは難しいものです。簡単に判断できるものではないでしょう。まずは、以下のようなポイントに目を向けて、休職すべきタイミングを見極めていってください。
会社に行こうとして拒絶反応が出たらまずいと考えるべき
会社に行く際に、「行きたくない」「このままバックレたい」「このまま電車の終点までいけたら気が楽なのに」といったような心理状態になったときは、まずいと考えた方が良いかもしれません。
少なくとも自分の中では、会社=自分に危害を加えるものといった感覚になっている可能性が高いです。そんななか無理して会社に行ってしまうと、ますます心身のバランスを崩してしまう恐れがあります。
うつと診断された段階で休職を考えるのも良い
まずは何も考えず、病院でうつと診断された段階で思い切って休職を考えるのも良いでしょう。その方が「いつ休職するべきなんだろう」と悩む必要はありません。
また、休職すべきかどうか悩んだときは、素直にそのことを担当医に相談することも大事です。自分のうつの状態はどれくらい深刻なのか、仕事と両立していくことはそもそもできるものなのか、判断を仰いでみましょう。
通院してもうつの経過が良くないとき
病院にしっかり通って薬も飲んでいるのに、結局症状は改善しない気がする…いつも気持ちが落ち込んでいる感じで体調が悪い…というときも、思い切って復職を決断するべきときと言えます。
うつが治る気配がなく、経過があまり良くないということは、カウンセリングや通院、安定剤による治療より日々のストレスの方が勝ってしまっている状態ということです。単純な怪我と同じで、怪我を治そうとして治療しているのに、その怪我部分を痛めつけるように動きまくってしまっては治るものも治らないでしょう。
つまりうつ状態を治すためには、ある程度の休息が必要だということです。医師によるアドバイスなども聞きつつ、経過が良くないときは休職を考えるべきでしょう。
うつで休職しても大丈夫?メリットを解説
うつで休職することは、やはり本人が思っている以上にメリットやデメリットがそれぞれあるものです。心身ともに限界…というときは思い切って休職というかたちで休むことが一番ですが、それに伴うメリットやデメリットもある程度は理解しておきたいところです。
また逆に、メリットを知っておけば、休職することにもある程度前向きになれるかもしれません。まずは以下からうつで休職するメリットについて解説していきますので、「うつで休職して良いのか迷ってる…」と悩んでいる人は参考にしてみてください。
うつで休職すればしばらく心身ともに休息を得られる
まず、うつで休職をすれば、しばらく心身ともに休息を得ることができます。
今の仕事をしばらく休んだ状態の毎日のことをイメージしてみましょう。満員電車に乗らなくて済む、上司に怒られなくて済む、プレゼンや商談のために緊張しなくて済む、営業ノルマを気にしなくて済む、面倒な人間関係に悩まされず済む、会社の飲み会に参加しなくて済む……などなど、とにかく日々たくさんあるストレスからは一気に解放されて、肩の荷が下りますよね。
うつで休職すれば、そんなストレスフリーな毎日を過ごすことができ、とても気持ち的に楽なのは間違いありません。何かを気にしなくて済む、悩まなくて済むというのは、非常に心の負担が少なく幸せなことです。職場での悩みがひどく、うつになった人にとっては、そんな生活がやってくればまさにパラダイスそのものでしょう。
確かにしばらく他の人と全く違う生活を送ることになるというのは、別の意味ではストレスや悩みになることです。しかし仕事や人間関係の悩みからしばらく解放されるメリットは、非常に大きなものであることに違いありません。
休職すれば、毎日しっかり眠って休息を取ることができます。そんな風に心身のバランスを整えていけば、うつの症状はよくなっていくでしょう。
うつによる休職なら仕事をキープしたままでいられる
うつになり体調をひどく崩してしまったとき、そもそも休職以前に退職すべきかどうか迷う人も多いでしょう。仕事なんてもう絶対に続けていけない気がする…と思うなら、正直休職よりも退職を考えたくなるものです。
ですがそこで退職をすんなり決断できる人は、正直あまりいません。なぜならまず最初にお金の心配があるからです。退職してしまえば、いずれ再就職しない限り、貯金や手当はいつか底をついてしまいます。正直、就活すればすぐに就職先が見つかるわけではないし…と不安に思う心理もあるでしょう。
ですがいったん休職というかたちを選べば、職場に籍を置いたまましばらく仕事から距離を置くことができます。「保険」ができるという意味では、これは非常に安心できることでしょう。
うつの症状が良くなってくれば、自然と復職にも積極的になってきます。ですがそんなとき一から仕事を探すのではとても大変です。その点休職というかたちなら、基本的に無条件で職場に戻ることができるため、不安が少ないという利点があります。
うつで休職すると大変?デメリットもチェック
では続いて、うつで休職するデメリットについて見てみましょう。うつで休職することには、やはりデメリットも伴うものです。それでも体調が悪い、仕事のやる気が起こらない、もう限界…というときは休職を考えることが大事になってきますが、注意点として、休職の際には以下のような点に気をつける必要があります。
休職中はしばらく低収入になってしまう
休職中の不安といえば、やはり生活費のことです。休職中は「傷病手当金」という手当を受け取ることができるため、およそ給料の60%は収入として入ってくるかたちになりますが、低収入になることは間違いないでしょう。
普通に働いていたときの給料の60%ですから、半減とまではいかなくても、それに近いところまで収入は減ってしまうということです。休職したとしても、実際、毎月かかるお金が変わるわけではありませんから、それによって生活苦に陥ってしまうかもしれないという不安は付きまといます。
手当だけで足りない部分は、自分の貯金や家族からの仕送りなどで補っていくかたちになるでしょう。そうなれば当然不安の多い生活になるため、そんな不安や心配がうつの症状を助長する可能性も否定はできません。
復職した際今後の出世・評価に響く可能性は高い
うつによる休職を選ぶ人は現代において非常に多いですが、復職の際には何かとリスクや注意点が伴うため気をつける必要があります。というのも、今後の自分の評価や出世に大きく響く可能性があるからです。
うつでしばらく仕事から離れていれば、周りの同僚と大きく差をつけられてしまうのは間違いないでしょう。ブランクがあるため、復職後にすぐ休職前と同じポジションにつけるとは限りませんし、むしろポジションが下がってしまうことも多いです。
会社によっては、出世しづらくなったり左遷のような扱いを受けたりなど、困ることも出てくるでしょう。休職すれば確かに心身ともに休息を得て気持ちをリフレッシュさせることができますが、残念ながら多くの場合において、会社の中の自分の評価には影響が出てきます。
復職後に立場が下がり、最終的には後輩にまで馬鹿にされるようになり、嫌な思いをした結果仕事を辞めてしまう人も実際には少なくないものです。
まとめ
ストレス社会の現代において、うつで休職する人は少なくありません。補償や福利厚生の手厚い会社なら、そんなときの手当や補償をしっかり整えている場合もあります。うつで体を壊してしまい、そろそろ本当に限界かも…と思ったときは休職することも視野に入れておきたいものです。
ただ、うつで休職することにはいろいろとメリットもデメリットも伴うものです。休職することはどういうことなのかということを理解する意味でも、休職前には必ずメリットとデメリットを知っておきましょう。