フリーターとニートはどちらも異なるものです。しかし、フリーターとニートの違いについてあまり意識していない人が多いのではないでしょうか?どちらも似たようなものだと考えている人もいるかもしれません。そこで、フリーターとニートの違いについて解説します。
フリーターとニートの定義
フリーターとニートの定義についてそれぞれ説明します。
フリーターの定義
フリーターの定義は15歳から34歳までの非正規雇用者です。この中には学生は含まれていません。フリーアルバイターの略称がフリーターとされています。フリーターという言葉は英語にはなく日本独自の造語です。フリーターの定義が生まれたのは1991年であり、それ以降フリーターの実態調査が行われるときには、上記の定義に基づいて調査が実施されます。
ただし、現実にフリーターという言葉が使われるときには、上記の定義とは異なる意味で用いられることもあります。そのため、フリーターという言葉は曖昧なものといえるでしょう。
ニートの定義
ニートとは15歳から34歳までの非労働者のうち、通学や家事を行っていない者のことです。若年無業者と呼ばれることもあります。もともとはイギリスにおいて使われていた用語です。日本でニートという言葉が使われるようになったのは2003年のことであり、2004年になってメディアで取り上げられるようになり、今ではすっかり定着した言葉といえます。
ニートは単に働いていないだけではなく、求職活動をしていない人のことです。求職活動をしている場合はニートではなく単に無職として区別されます。働く意志がある人はニートとはいえないのです。
ただし、ニートの定義も曖昧な部分が多いです。実際に35歳以上の無職の人もニートと呼ばれることがあります。フリーターとの区別が曖昧な部分もあり、引きこもりと重複している部分もあります。
35歳以上のフリーターとニートについて
35歳以上であってもフリーターやニートのような状態の人は存在しています。このことについて詳しくみていきましょう。
35歳以上の非正規労働者もフリーターと呼ばれることが多い
35歳以上で非正規雇用者として働いている人はたくさんいます。したがって、こういった人たちのことをフリーターと呼ぶケースは珍しくありません。本来のフリーターの定義とは異なっているのですが、世間のイメージとしては中高年の非正規雇用者もフリーターであるという考え方が定着しているといえます。若いフリーターとは区別して高齢フリーターと呼ばれることもあります。
35歳以上のニートはただの無職として扱われる
35歳以上でもニートの状態の人がいます。この場合は、ニートと呼ぶのではなくただの無職として扱われることが多いでしょう。50歳で働いていない人のことをニートと呼ぶ人はあまりいないからです。
フリーターとニートのリスク
フリーターもニートもどちらもリスクのある存在です。具体的にどういったリスクがあるのか紹介しましょう。
フリーターは生涯年収が低い
フリーターの大きな問題は生涯年収が低くなることです。正社員と比較したときに30代以降で収入に大きな差が生じてしまいます。フリーターは20歳の頃と変わらない年収でいつまでも働き続ける人がほとんどだからです。そのため、正社員の生涯年収が2億から3億であるのと比較して、フリーターの場合は生涯年収が1億円にも達しないことが多く、とても収入が低いといえます。
フリーターは貯金ができない
フリーターは収入が低くて毎日の暮らしに必要なものを買うだけでお金がなくなってしまいます。手元に残るお金がそもそも少ないため、貯金することが難しいです。趣味などにどんどんお金を使っていってしまうフリーターはすぐに金欠に陥ってしまうでしょう。将来のために貯金をしておく余裕のないフリーターはたくさんいます。これでは、将来働けなくなったときなどに困ってしまうでしょう。
ニートはそもそも収入がない
ニートはそもそも働いていないため収入がまったくありません。これはとても大きなリスクといえます。多くのニートは親の扶養家族として生活しています。しかし、いつまでも親が働き続けられるわけではありません。親が働けなくなったり、亡くなってしまったりするとニートは生活を続けることができなくなるでしょう。そのような不安を抱えているニートは大勢いるのです。
世間の目が厳しい
フリーターもニートもどちらも世間からの目は厳しいです。特に30代以上になってもフリーターやニートを続けていると、知り合いと顔を合わせるのさえ躊躇する人が多いでしょう。友達などとも疎遠になってしまい孤独を感じやすいです。
職歴や経験がなく採用されにくくなる
フリーターで長年アルバイトをしていたとしても、それは職歴として認められないことが多いです。ニートの場合はそもそも職歴や仕事の経験といったものがありません。そのため、フリーターやニートは正社員の求人に応募したとしても採用されにくくなります。40代以降になるとアルバイトであっても採用が難しくなってしまうでしょう。特別なスキルを何も持っていない人は、将来仕事探しが難しくなり、大変なことになります。
フリーターとニートの解決方法
フリーターやニートから脱したいと考えている人はたくさんいます。そこで、フリーターやニートの解決方法について紹介しましょう。
多くの求人に応募してみる
フリーターやニートを脱したいならば、正社員の求人に応募してみましょう。自分はとても正社員に採用されることはないと諦めている人が多いかもしれません。しかし、実際にはフリーターやニートから正社員に採用されたケースは存在します。そのため、諦めないで多くの求人に応募してください。いろいろな求人に応募することで面接に慣れてきて、しっかりとした受け答えができるようになるというメリットもあります。
就職支援サービスを利用する
日本にはさまざまな就職支援サービスが存在しています。たとえば、公的なサービスとしてハローワークは有名でしょう。民間でも正社員になるのをサポートしてくれるサービスは多くあります。就職エージェントを用意しているサービスであれば、就職活動を全面的にサポートしてくれます。就職支援サービスを利用することで、面接や履歴書対策などもできるようになりおすすめです。
資格試験に挑戦する
国家資格に挑戦してみることで就職に有利になります。たとえば、介護士に関連する資格を取得することで介護施設の就職に有利になるでしょう。また、自動車免許を取得するだけでも、採用に有利に働くことはあります。実用的で仕事に役立ちそうな資格試験を受けてみましょう。
紹介予定派遣を目指す
紹介予定派遣という制度があります。正社員として採用されることを前提とした派遣の仕事です。このタイプの求人に応募すると、派遣としてまずは働いて、将来は正社員として採用される可能性があります。採用されるまでに実際に職場で働いてみることができるため、自分に合った職場や仕事を見つけやすいです。
アルバイトからの正社員登用を目指す
アルバイトから正社員に登用されたというケースは少なくありません。アルバイトとして頑張りを認められて、社員から信頼されるようになると、そのまま正社員にしてくれる可能性があるのです。正社員に登用される可能性のあるアルバイト求人に応募してみるとよいでしょう。正社員になれるかもしれないと考えれば、毎日の仕事のモチベーションを高めることができます。
フリーターとニートの限界年齢
フリーターやニートには限界年齢があるのでしょうか?いつまでフリーターやニートという立場を続けることができるのか説明しましょう。
30歳を超えると危ない
基本的にフリーターもニートも30歳を超えてくるとリスクが高まることを意識しましょう。30歳を超えるとアルバイトの求人にもなかなか採用されにくくなります。そうなるとフリーターを続けることが難しくなります。首を切られてしまい、次の仕事がなかなか見つからずに困ってしまう可能性があるのです。
また、ニートの場合は、30歳を超えると親の健康や仕事に問題が出てくることがあります。親に養ってもらわないと多くのニートは生きていけません。自分が30歳を超えると親は定年退職が近くなります。親がすでに年金暮らしを始めているというケースもあるでしょう。そのような状態では親に養ってもらうことが困難になるため、ニートを続けることが限界になるのです。
いずれにしても、フリーターやニートは自分が30歳を超えると危険な状況に陥ることを認識しましょう。
中高年ではアルバイトでも採用されにくくなる
中高年になるとアルバイトですら採用されなくなります。多くの企業はアルバイトには若い人材を求めているからです。わざわざ体力や知能の低下が始まっている中高年を採用する必要がないからです。
また、中高年ではできるアルバイトも限られてくるでしょう。若い頃にはできた肉体労働のアルバイトが中高年になるととても辛くなります。応募できる求人が限られてしまい、しかも採用される可能性が少なくなるのです。アルバイト探しに苦労している中高年は大勢います。
できるだけ若いうちに行動するべき
このようにフリーターもニートも30歳を超えるとだんだん厳しくなっていき、どこかで限界を迎えてしまいます。そこで、早めに行動して正社員になっておくことが大切です。正社員になれば、昇進や昇給の機会が用意されています。仕事をしていくうちに専門スキルや知識を身につけることができ、それは別の企業でも役立てることができるでしょう。雇用保険などの補償があるため、万が一失職したとしても安心です。
まだ若い段階であれば正社員になることは難しくありません。将来のリスクに備えて早めに動きましょう。
まとめ
フリーターとニートの違いについて解説しました。15歳から34歳までの非正規雇用者がフリーターです。また、15歳から34歳で働いていない、就職活動もしていない人がニートです。どちらも定義は異なるのですが、将来のリスクを抱えている点では共通しています。早めに動いて将来のリスクに備えておきましょう。