今話題となり利用者が急増していると言われている退職代行は、本当にすぐに退職できたという声がある一方で、トラブルを起こすケースがあると言います。
退職代行を利用して起こるトラブルには、どんなものがあるのか気になりますよね。
本記事では、退職代行の利用で実際に起こったトラブルを中心に、トラブルに遭わない退職代行を利用する方法など、これから退職代行を利用して会社を退職しようと考えている人の気になる部分について紹介します。
退職代行を利用したトラブルとは?
退職代行の利用で、退職を希望する会社とトラブルを起こす可能性はほとんどありません。大抵は、退職代行を利用するとスムーズに退職することが可能です。
しかし、本当にごく稀に退職代行の利用でトラブルを起こしてしまう人がいます。運が悪かったと言える退職代行の利用で起こるトラブルについて解説します。
退職代行のトラブル① 退職できなかった
退職代行を請け負っている専門業者のほとんどは、退職代行サービスを利用した人の退職率は100%となっています。
また、会社を自分の意思で退職するという権利は、労働者に与えられている権利なので退職できないこと自体おかしな話なのです。
それでも退職代行を利用して「退職できなかった。」というトラブルで多いケースは、退職の意思を適切な方法で通知しなかったことによる「言った」「言わない」です。
このような初歩的なミスを犯しがちなのは、退職代行のノウハウを持たずに流行に便乗して始めた業者や退職代行をはじめたばかりの業者なので、そのような業者を選ばないことがトラブル回避の唯一の方法と言えます。
退職代行のトラブル② 退職日まで休めず出勤することになってしまった
退職は承認されたものの、退職日となる日まで引き継ぎも含めて出勤しなくてはいけない状況になってしまったというケースもゼロではありません。
退職代行は、退職の意思を伝えた段階で、もう出社する意思がないことから、
・有給休暇を消化して退職日を待つ
・休職扱いとして出社せずに退職日を迎える
ということなどの交渉、同意を得ることで即日退職を現実にするのが普通です。
しかし、退職代行のノウハウを持たない会社が退職代行を行うと、「出社はもうしない。」交渉と同意を得ることができず、結局は退職日まで嫌な思いをしながら出勤しなくてはいけないという最悪の事態に陥ってしまいます。
退職代行のトラブル③ 懲戒解雇されてしまった
退職代行を利用した場合のトラブルとして「懲戒解雇」されてしまうケースもあります。
ただ退職したくて、それを退職代行に依頼しただけなのに「懲戒解雇」になってしまうの?と思う人もいると思います。
実は、退職代行のサービスは、やり方を間違えると非弁行為と言って、弁護士しかできない業務を勝手に行っているという風に企業側に解釈され、退職の意向を伝えたとしても全く相手にされない場合があります。
退職代行側が、交渉している最中と利用者にうやむやにし、本人も会社からの連絡を受けずにいる間に、利用した本人は無断欠勤状態となることから懲戒処分を言い渡されてしまうのです。
懲戒解雇されてしまうと、次の就職に大きな影響を与えてしまうので、それだけは避けるように非弁行為にあたらないプロの退職代行を遂行してくれる業者を選ぶことが大切です。
退職代行のトラブル④ 退職後に必要となる書類が届かない
どんな形で退職することになったとしても、退職後には、
・雇用保険被保険者証
・離職票
以上の2つの書類は必ず必要となります。雇用保険被保険者証は、会社側が本人に代わって保管しているだけのものなので、必ず返却されるものですが、離職票は、退職する人の請求によって発行されるものなので、退職時に離職票の発行を請求する必要があります。
退職に必要な書類を手に入れることができないと、結局自分で会社に連絡しなきゃいけなくなったということもあるので注意しましょう。
退職代行のトラブル⑤ 退職代行へ振込手続き後連絡がつかなくなった
退職代行業者へ振込手続きを終えた直後から連絡がつかなくなってしまい、退職どころではなくなってしまったという人がごく稀にいます。
退職代行を利用する場合に支払う費用は、特に契約書を交わすこともなく料金先払いというのが一般的なので、それが当たり前と思って入金したら被害に遭うこともあります。
トラブルの起きない退職代行業者の選び方
退職代行業者の選び方によっては、思いもよらないトラブルに巻き込まれてしまうことがあるということがわかりました。
ここからは、最悪の事態を想定してトラブルの起きない退職代行業者の選び方について紹介しますので、参考に退職代行業者を選んでみてくださいね。
退職代行トラブルの起きない業者① 退職代行として対応できる範囲が明確
退職代行としてどこまで対応しているのかがハッキリと明確になっているかどうかを相談した時点で確認することが大切です。
退職代行が請け負うものは、退職したい本人に代わって「退職の意思を伝える」ことで、
退職の意思を本人に伝えた後に、
・その当日より出社しないこと
・退職に関する書類や貸与物は郵送でのやりとりを希望していること
・電話での連絡は避けたいこと
など、さらに本人の希望を伝えて了承してもらうところまでが、一般的な退職代行を依頼して受けることのできるサービスです。
それ以上の交渉は、弁護士資格がなければ非弁行為となり行うことができないということが明確になっていることと、その正しい説明が行われる業者を利用するようにしましょう。
退職代行トラブルの起きない業者② 運営会社のサイトがあるなど運営元がハッキリしている
運営元である運営会社の正式名称はもちろん、所在地、代表者名、業務内容、連絡先となる電話番号、メールアドレスなど最低限の情報をすぐに閲覧できることと、費用や振込方法、対応時間なども明記してあればさらに安心です。
運営会社がハッキリしない、連絡手段がメールアドレスのみという業者は、不安が残るので利用しないようにしましょう。
退職代行トラブルの起きない業者③ 顧問弁護士がいる
顧問弁護士のいる退職代行業者なら、非弁行為とならないギリギリの範囲で、有給休暇の消化の交渉などにも応じることができる場合もあります。
また、トラブルとなりそうな部分を利用前の相談で明確にし、顧問弁護士の指導のもとに最適な退職代行を行うことで、トラブルなく確実に退職へ導いてくれることとなるので顧問弁護士のいるいないはとても重要です。
顧問弁護士がいるかどうかの確認を事前にしておくと安心ですね。
退職代行トラブルの起きない業者④ SNSなどを利用して口コミをチェック
SNSなどを利用した口コミ情報は、退職代行業者を選ぶうえでとても重要です。退職代行というちょっと特殊であまり人に知られたくないという人が多いため、口コミ情報として掲載したくないという人も少なくありませんが、それでも実際に利用してトラブルに遭ってしまったという口コミは、SNSを活用している人なら情報発信して憂さ晴らしをしたいと思うのは当然です。
良い口コミ以上に、悪い口コミとその内容を確認し、相談の時点でその部分については質問するようにしましょう。
退職代行トラブルを回避する評判の退職代行業者は?
退職代行業者の中でも評判の高い退職代行業者は、メディアなどでも紹介されているような知名度の高い業者です。
現時点で、口コミ評判も良くて知名度の高い退職代行業者は以下の5社です。
・退職代行ニコイチ
・退職代行saraba
・退職代行EXIT
どの業者も運営会社はもちろん、所在地や連絡先などもハッキリしていることと、利用方法や料金など知りたい情報も明確なのでそれだけで安心です。
また、退職代行を利用する人に多く選ばれている業者でもあるので、この中から予算と自分の目的にマッチする業者を選ぶようにしましょう。
退職代行のトラブルに遭ってしまった場合の対処方法
もしも退職代行の業者を利用してトラブルに遭ってしまったら、どんなトラブルに対しても一番の対処方法は、まずは法律の専門家である弁護士へ相談することです。
弁護士に相談し、弁護士にトラブルの解消はもちろん、退職に関することまですべてをお任せして解決するのが一番簡単で安心です。
ただし、退職代行のトラブルを弁護士に相談・依頼した場合、それなりの費用が必要となることは覚悟して対処するようにしましょう。
まとめ
退職代行は、自分で退職したいことを会社に言い出せないという人だけではなく、自分で退職の意思を伝えたものの辞めさせてもらえないという人が利用し、退職できるサービスとして話題となり利用する人が急増しています。
利用者の急増に伴い、退職代行サービスに参入する企業も増えてきているので、同じ退職代行サービスでも、料金やサービス内容に違いがあったり、対応にも違いが生まれてきています。
退職代行の業務自体が素人という業者や、詐欺目的で運営している業者など、どの業者も安全で確実に退職できるとは限らないのは事実です。
退職代行を利用してトラブルに巻き込まれたり、退職できないという事態に陥らないためにも、トラブルに遭うかもしれないことを想定したうえで、退職代行業者選びは慎重にしっかり行うようにしましょう。