アルバイトを始めた当初は、仕事が楽しいと感じているかもしれません。しかしマンネリ化やバイト先の体制の変化などがきっかけで、「辞めたい」と感じることはあるでしょう。
勤続日数が増えれば増えるほど、任せられる仕事は増加していくもの。それでも仕事が好きなら楽しいかもしれませんが、全員がそうとは限りません。
また、明確な事情があり退職を考えている人もいるでしょう。しかしアルバイトの退職自体が初めて行う場合、勝手がよくわからないものです。
そこで今回は、バイトを初めて退職するという人に向けて、円滑に辞めるための手順をご紹介します。注意点も合わせて解説するので、参考にしてみてください。
目次
バイトを辞めたいなら正しい手順を踏もう
アルバイトやパートは非正規雇用にあたりますが、仕事を請け負っているという点では社会の一員。感覚的にはそうでなくとも、面接や退職時はマナーを守らなければなりません。
アルバイトは、社会人になるための練習でもあります。何よりきちんとした手順で退職すれば、その後心理的な不安からくるストレスを感じることもないはずです。退職の際に不必要なトラブルを引き起こし叱責される恐れもなくなるので、まずは正しい退職方法について知っておきましょう。
1.店長や責任者に退職について相談する
アルバイトであっても「嫌になったからもう辞める」で辞めることはできません。習い事のように、親が全てを管理してくれるわけでもないでしょう。もちろん、バイト先が定期的にいつ退職希望を尋ねてくれることもありません。
つまり、退職したいと思ったら自分から行動する必要があるということ。まずは、店長や責任者に時間を作ってもらうところから取り掛かりましょう。
店舗が忙しくない時間帯を見計らって、「お話があるんですが…」と切り出し、従業員室へ呼びだすのが一般的なフローです。
2.提示されているシフトは出勤する
店長や責任者と2人きりになれたところで、「バイトを辞めたい」と切り出しましょう。お客さんがいるところでは、決して話を切り出さないように。
アルバイトの場合、退職希望日の1ヶ月前に報告するのが一般的です。ただし、就業規則に「2ヶ月前に申し出ること」とあれば、それに従いましょう。しかし大抵の場合は、1ヶ月前の相談で問題になることはありません。
ほとんどの店舗ではシフトが長くても1ヶ月単位で作られているので、明確な退職希望日がなければその月のシフトが出た直後に相談するとよいでしょう。
そうすることで「次のシフトを作り始めたからもう少し待って」と引き止められることを避けることができます。
もし早急に退職しなければならない事情があっても、出ているシフトは出勤すると言えば承諾される確率が高いです。
3.バイト先の人へ退職のあいさつを
「立つ鳥あとを濁さず」というように、最後のあいさつは大切です。店長や責任者はもちろんのこと、お世話になった先輩や仲間にも退職日とお礼を直接伝えましょう。
シフトによっては1週間ほど会えないこともあるので、最後に会える日を事前に確認しておくのがベスト。シフト表と照らし合わせて、直接対面で会える日を見ておいてください。
退職時に差し入れをする人もいますが、そこまで気を使わなくても構いません。もし差し入れるのであれば、個包装のお菓子を置いておくと喜ばれます。
バイトを「辞めたい」と伝える時のポイント
バイトを「辞めたい」と伝える際に、いくつか抑えておくべきポイントがあるので、ご紹介します。店長や責任者へ相談をする前にチェックしておくとよいでしょう。
退職理由を明確に
退職理由は必ずといっていいほど尋ねられます。ただ、1ヶ月前に相談しておくのであれば、どんな理由でも受け入れてもらえるはずです。
たとえ、「仕事がキツイ」などの理由で退職するとしても、それが原因で怒られることはない場合がほとんど。嘘がバレてトラブルになる方がよくありません。無理に嘘をつく必要はないので、退職理由は正直に伝えた方が安心です。
辞めたいという意思を強く持つ
人手が足りていない店舗であったり、あなたが優秀な人材であれば、退職されるのはお店にとって非常にマイナスです。そのため、退職理由がやむを得ない事情でなければ引き止められることがあります。
店長や責任者も「考え直してほしい」という一心で引き止めるので、しつこくされるかもしれません。引き止められた時の対策は、「辞めたい」という意思を強く持つこと。
何度引き止められてもその都度丁寧に断っていれば、いずれは諦めてくれるものです。意思が揺らいでしまうとより強く引き止められるので、きっぱり断る勇気を持ちましょう。
バイトを辞めたいなら直接会って伝えるのがマナー
退職に関して右も左もわからないような状態だと、悪気なく軽い気持ちで電話やメール・ラインでの相談をしたくなるかもしれません。しかし残念ながらそれは、社会人としてのマナー違反です。
退職の相談は、対面で行うのが決まり。ただアルバイトの場合、店長や責任者の性格や職場の雰囲気によってもどこまで許されるかが変わるため、フランクな職場であったり店長と仲がよかったりすれば責められることがないケースもあります。
原則電話やメールで伝えるのはNG
退職の意思は原則対面で伝えなければならないため、電話連絡やメール・ラインで伝えるのはNG。しかしこれは「原則」であり、どうしてもバイト先に出向けない、対面で伝えられない理由があるなら利用しても構いません。
もし自分から切り出す勇気がでなければ、メールやラインでアポイントメントを取るというのもおすすめです。事前に「話があるので時間を作ってください」と連絡を入れておけば、忙しい時間帯でも時間を作ってくれる可能性が高いので、話し合いもスムーズに行えるでしょう。
バイトを辞めたいなら円滑に!絶対にやってはいけないNGな退職方法とは?
もし円滑に退職できなかったとしても、以降のアルバイトや就職活動に影響がでることはありません。
それでも円満退職を第一に目指すべきであり、円満に退職しておけばその後プライベートで店舗を訪れたとしても歓迎してもらえるはずです。仲良くなったバイト先の人と個人的な交流を続けることもできるのでおすすめ。
ここからは、円満退職のため絶対にやってはいけない行為をご紹介します。参考にしてみてください。
喧嘩がきっかけで辞める
時折、喧嘩がきっかけで辞める人が見られます。お互い人間なので、どうしてもウマが合わない人はいるでしょう。
実際、店長との喧嘩やバイト先のスタッフとの喧嘩の流れでそのまま退職してしまう人がいますが、結果的に全く関係ない人に迷惑をかけてしまうので絶対に避けた方がよいです。
普段から喧嘩にならないために、アルバイト中は感情的にならず常に大人の対応を心がけることが大切。それでも喧嘩に発展してしまったら、第三者に仲裁に入ってもらうなどし、退職するとしても1ヶ月は余裕を持たせて相談してください。
バックれる
実際に遅刻してそのまま無断欠勤し、バックレてしまう人はいます。何の気なしにバックレてしまう人がまれに見られますが、これは不法行為にあたるのが現実。最悪の場合、バイト先から損害賠償を請求されてしまうリスクもあります。
店舗に在職しているスタッフ全員に迷惑をかけてしまう行為でもあるため、必ず無断欠勤やバックレはやめましょう。
一方的な連絡のみで退職する
一応連絡をしているのでバックレよりはマシですが、結果的に規則を破っていることには変わりありません。
退職の際は1ヶ月ほど前に伝えておくのがマナーであり、出勤日当日になって電話で一方的に連絡しそのまま欠勤したり、メールやラインで伝えた後ブロックしてしまうのは絶対にNG。
もし電話やメール・ラインで報告するとしても、「対面で相談したいので店に来て」と言われたらそれに応じるようにしましょう。一方的に退職を告げるだけは決して行ってはならない行為です。
バイトを辞めたいと伝えた後引き止められた場合の対処法
大抵の場合引き止められたとしても数回程度で、意思が揺らがないと理解すれば諦めてくれるものです。しかしまれに、何度「辞めたい」と相談してものらりくらりとスルーされるケースもあります。
たしかにバイト先にもさまざまな事情があるのは間違いないですが、そこまでアルバイトが気を使う必要はありません。次の人員を探すのは、あくまでも店長や責任者の仕事。「こんな人手がない時に辞めるなんて」などと嫌味をいわれたとしても、責任を感じる必要は全くありません。
どうしても辞めさせてもらえない場合は法的手段を
お願いという形で引き止められるならまだよいですが、非常にまれに逆ギレされることもあります。この場合理不尽に怒られる恐怖心から、退職自体を諦めるしかないと思うかもしれません。
何度も相談しているのに取り合ってもらえないのであれば、他の社員へ相談してみましょう。店長や責任者は対応が悪くても、社員は協力的で他の方法を考えてくれることもあります。
とはいえ、店舗によっては店長以外の社員が常駐していないこともあるでしょう。このような場合は、早急に退職届を郵送することが大切。退職届には、「退職を願い出た」ことを可視化する役割があるので、後々聞いてないと言われてトラブルになることを避けるためにも必ず提出しておきます。
送付後2週間も経過すれば、法律上退職しても構いません。ただもし気になるようなら労働基準監督署へ相談して、指示を仰ぐという手段もあります。
まとめ
たとえアルバイトとして雇用されていても、社会の一部という意識を持ちマナーを守ることが大切です。店長や責任者からすれば、バイトが退職するのはよくあること。それが原因でトラブルに発展したり、怒られることはほとんどありません。
それよりも、怒られることを恐れてバックレる方が問題です。まずは肩の力を抜いて、店長や責任者へ自分から相談してみましょう。想像しているよりずっとスムーズに退職できるはずです。